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一度痩せた肉体を失う

「私の落ちたサイズを返して」と心の中で繰り返す。いつもはしつこいくらいに話しかけてくるくせに、今日に限ってFさんもWさんも、私のそばには寄っては来ない。どうして戻ったのかと、追及されたら困るからに違いない。私は彼女たちをにらみつけたまま、ずっと目で追っていた。しかし店長だけはいつもの調子だった。心持ち、普段より嬉しそうに笑みを浮かべている店長は、サランラップとクリームを手に持って私のベッドまで来ると、「大丈夫よ。これでまた落ちるから」と言い、そしてヘヘヘと笑った。私はとてもそれにこたえられる余裕はなかった。どうして戻るのか、本当のところはどうなのか、そんな疑惑ばかりが心の中で育っていく。―これで落ちなかったらどうするの。「このねえ、クリームを塗るのね」ハンドクリームみたいな入れ物に入ったクリームのラベルを私にちらりと見せると、蓋をひねって開け、クリームをべっとりと手に取って、店長は私の足に塗っていった。それから低周波のパッドをバンドで固定し、その上からサイズダウンのときと同じようにサランラップを巻いていった。これで取り戻せるの?私は複雑な思いでいっぱいだった。間を空けると戻るということ、普通の生活をすると維持できないということ、今種目を追加しないと二度と痩せた肉体は戻ってこないし、これ以上の痩身はないということ、2回目のコースを取らないと戻るということ、そしてエステサロンを離れたら、私の過食はもとに戻ってしまうということ。もうそのうちのどれを取っても、一度痩せた肉体を失うことだった。「すごい汗をかいてくるでしょう?このクリームがね、脂肪を分解する働きがあるのね。だから運動させるときに使えば、効果は本当に上がるから」自信満々の表情を崩さないまま、店長はサランラップを外していった。そして私はシャワー室に向かう途中で、待ちきれずにロッカーの前にある鏡を見た。―痩せている。むちむちとしていた足は、軽やかになってすっきりしていた。もう測らなくても、見ただけで分かる。私が失ったサイズは、この種目で取り戻せるかもしれない。私は急いでシャワーを浴びると、サイズダウン用のベッドに横になった。
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