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ながら食い・早食い・まとめ食いの弊害

最近、日本でも増えている「過食症」や「拒食症」は、こうした食欲のメカニズムが破綻を来した場合に起きる現象で、マウスなどの実験動物でも、「過食」を人為的に引き起こすことができます。たとえば、マウスの尾を針で軽く刺してストレスを与え続けると、「過食」状態に陥って急激に代謝が増えます。このように、不安や心理的ストレスから逃れるための「過食」は、空腹でなくても物を食べ続けるので、「気晴らし食い」とか「イライラ食い」と呼ばれます。こうした現象は若い男女に数多く見られ、食べることによってストレスを解消しようとする行為として報告されています。こうした「過食」とは関係ありませんが、私たちの一日の食事回数や食事時間が肥満に関係していることが分かってきました。厚生労働省の「国民栄養調査」によれば、男女とも一日の食事回数が少ない人ほど肥満度が高く、毎日の食事に「欠食」がある人を「欠食」のない人に比べると、皮下脂肪が厚いという結果が報告されています。つまり、朝食を抜いて夜に「かため食い」するような習慣が肥満につながると見ることができます。そのメカニズムはまだ解明されていませんが、一日の食事量の半分以上を夜間に食べる「夜食症候群」も、肥満につながります。その理由は、夜間になると消化管の機能を促す副交感神経の働きが高まり、食物の消化吸収が良くなってエネルギーが貯蔵されやすくなるからでしょう。このほか、太った人によく見られる食事の風景には、以下のような特徴があります。(1)身の回りの手の届くところに、さまざまな食物が置かれている。(2)人と話したり、テレビを見ている時など、あまり意識しないで過食している。(3)「早食い」のため、満腹感を感じる前に必要以上の量を食べてしまう。こうした「ながら食い・早食い・まとめ食い」の習慣は、太った人によく見られるので、「肥満型食事様式」と呼ばれています。最近の研究で、こうした摂食パターンが肥満につながりやすいことも明らかになりました。