美しさは永遠の課題であるとともに、どこまでいっても完全というものがない。芸術にも似た至高をめざすものだからである。ヘアから爪の先までパーフェクトに磨き上げたいという気持ちは、すべての女性の心の奥深くに潜んでいるものなのである。こうした風潮を反映して、以上のエステのほかに最近ニーズが高まっているのがヘア・エステや、ネイル・エステ、足のウオの目やタコをきれいに取るポドローゲである。日頃からヒールの高いパンプスで傷めつけられている足は、タコ、ウオの目などで悩まされている場合が多い。みた目にも汚いばかりか時には激痛さえ伴うことがある。これらをきれいにトリートメントすることは、生き生き活動的な日々を約束することにも通じることになる。さらに、最近は男性のエステに対する関心も高くなり、ステータスのある、自分のイメージを大切にする人ほど、自分づくりの必要を意識するようになっている。週末のアスレチックジムをのぞくと、ビジネスマンが体力づくり、健康づくりに懸命に汗を流している。さらに意識が進むと、自然にエステにたどりつくことになる。某エステティシャンは、今後は男女、年齢を問わず、エステティックを取り入れる時代が始まるとみているという。「最近は、親のほうが勧めてエステティックに通わせる例も珍しくありません。フランスでは、女の子が生まれると両親、特に父親がその子に、美しくなるための心遣いからマナーまで徹底して教え込むそうですね。日本もようやくそんな時代に近づいてきたのでしょう」パリの街では、カフェの椅子は歩道に面して、歩く人を観察するような形に並べられている。街行く人を観察する楽しみ、そして観察される喜び。人の視線はその人を最高に磨き上げるものなのだ。そうした喜びを素直に取り入れてきたフランス人は、世界一美しく生きるテクニックに長けた国民といえるかもしれない。質素なおしゃれなのにもかかわらず、息を飲むような美しい印象の女性をしばしばみかける。いずれ経済大国から美の大国へ。某エステティシャンはそんな日本の将来のイメージをすでに脳裏に描いているようだ。